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株価の大暴落や金融機関の経営破綻といった事態が起こるのも、原因を突き詰めていくと、このような金融活動におけるリスクの問題に行き着きます。
これにどう対処していくかは、世界経済にとっても大きな課題となっています。
経済は大きな成長を遂げることができました。
最近では、IT(情報技術)の発達などにより、国境を越えた資金のやり取りも瞬時にできるようになり、金融活動のグローバル化も進みました。
金融のしくみが国境を越えて機能するようになることで、世界中のお金が有効活用できるようになったともいえます。
しかし、その一方で金融の発達がもたらす問題点も明らかになりつつあります。
お金を余っているところから足りないところへ融通するのが金融だといいましたが、そこには「未来の不確実性」という問題が必ず絡んできます。
金融活動には各種リスクが内在されていて、それは金融のしくみの発達とともに複雑化している。
金融活動は一般に、「直接金融」と「間接金融」という2種類に分けることができます。
例えば、私たちがA社の発行した株式を買ったとすると、そのお金は相手(A社)に直接渡ります。
この際、証券会社が間に立つのが一般的ですが、仲介窓口を担っているだけなので、私たちの取引相手はあくまでA社です。
このように、お金の出し手と受け手が直接結びつく金融を「直接金融」といいます。
株式や債券を通じた取引が代表的です。
これに対し、私たちがB銀行にお金を預金し、そのB銀行がA社にお金を貸し出したとしましょう。
この場合は、私たちの取引相手はB銀行であり預けたお金が間接的にA社に提供されていることになります。
このように、お金の出し手と受け手が間接的に結びつく金融が「間接金融」です。
銀行を通じた取引などがこれにあたります。
鯛.金融ビッグバンが「直接金融』を促した日本における最近の金融活動の特徴は、「直接金融」の比重が高まっていることです。
日本では戦前から、銀行に代表される「間接金融」が中心となっていました。
個人にとって、当面使わないお金は銀行に預けておくのが一般的でしたし、企業としても、事業の資金を調達する手段としては銀行からの借り入れが中心でした。
お金の出し手と受け手が間接的に結びつく取引のことも実施されました。
「マザーズ」「ヘラクレス」に代表される新興企業向けの株式市場が整備されたのはその一例です。
鯵個人の金融知識がますます重要になる80年秋に米国で金融危機が起こったのをきっかけに、株価が世界的に下落しました。
そのため、一時的に株式投資を敬遠する個人も増えています。
また企業としても、株式などを通じて資金を集めるのではなく、銀行から借り入れる例が増えています。
しかし「間接金融から直接金融へ」という流れは今後も変わらないと考えられます。
個人にとっては、預金以外のさまざまな金融商品に接する機会がますます増えていくでしょう。
これは、自分の財産を殖やしていくための手段が豊富になったということですが、今まで以上に金融商品に関する知識が重要になったということでもあります。
しかし、経済が成熟化するにつれて、資金の流れを銀行に限定するのではなく、株式や債券など直接金融のしくみを活用して、資金の流れを多様化させたほうが、経済の発展につながるのではないかと考えられるようになりました。
そこで政府は80年代後半に「金融ビッグバン」と呼ばれる金融制度の大改革をスタートさせます。
株式を売買するときに証券会社に支払う手数料が自由化されたり、銀行の窓口で投資信託が扱われるようになるなど、さまざまな規制緩和が実施されました。
株式とは、企業が経営に必要な資金を集めるための手段の一つです。
その歴史は古く、株式が発明されたのは今から300年以上も前の18世紀ヨーロッパだといわれています。
当時は、イタリアの探検家コロンブスなどが活躍した「大航海時代」と呼ばれる時代です。
ヨーロッパの人々は、アジアで産出される香辛料を求めて航海に出ようとしていましたが、船を建造するにも何百日もの船旅を続けるにも、多額の資金が必要になります。
そんな資金を、一人で用意できるような人はほとんどいません。
そこで、複数の人々から少しずつ資金を集める株式の役割と証券取引所のしくみ方法が考えられました。
集めたお金で航海に出かけ、無事に香辛料を持ってアジアから帰ってくることができたら、香辛料を売って得た利益を資金の出し手に配分する、というアイデアです。
このように、事業の資金を複数で出資しあうのが株式の基本的なしくみです。
お金を出した人々に手渡された証明書が「株券」にあたります。
私たちは、企業が発行した株式を購入することで、その企業に出資したことになり、利益の配分(配当)を受け取る権利を得ます。
このほか、株式を買った人(株主)はその企業の出資者の一人として、経営に参加することもできます。
具体的には、「株主総会」という会社の意思決定会議に参加して、議決に加わることができます。
取締役会不特定多数の人から資金を出してもらって設立・運営される会社が「株式会社」。
出資した人(株主)は利益の配分(配当)を受け取る権利を持ち、株主総会を通じて経営に参加もできる。
出資者(株主)株主になると利益の配分を得られると言いましたが、経営が不調で利益が出なかったら、当然配当ももらえないことになります。
仮にその企業が事業に失敗してしまっても、出資したお金は戻ってきません。
株式を発行した企業にとっては、株主から得たお金は原則として「返さなくてもいいお金」であり、銀行などから借りたお金と違って長期的な視点で経営に活用できます。
これは株式の大きな特徴です。
また株主には、出資したお金は返ってきませんが、急に現金が必要になった場合は、株式を誰かに売ることができます。
これも株式の特徴です。
株式の売買を円滑にするための重要な役割を果たしているのが「証券取引所」です。
株主となった人が、誰かに自分の株式を売って現金化したいと思ったとき、売る相手をいちいち探すのは大変です。
いつでも好きなときに安心して株式を売買できるしくみがないと、人々は株式を購入するのをためらってしまうかもしれません。
そこで、株式を買いたい人と売りたい人の注文を一カ所に集め、集中的に売買を成立させてくれるような場が考案されました。
それが「証券取引所」というわけです。
証券取引所は、一定の基準を満たした企業の株式を集中的に売買する専門の場です。
日本には、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡の5証券取引所に、かつて「店頭公開市場」と呼ばれていた株式市場が発展する形で生まれた「ジャスダック証券取引所」を加えた計6つの取引所があります。
証券取引所は、全国の証券会社の支店網から届いた株式の売買注文が集約され、コンピュータシステムを使ってそれらが効率的に結びつけられるようになっています。
ある企業の株式が、証券取引所で売買されるようになることを「株式上場」といいます。
証券取引所の上場基準を満たすことができ上場するには、発行株式数や会社設立後の年数、なかったため、ベンチャー企業が株式を通じて大利益の状態などについての厳しい基準を満たす必規模な資金を集めるのは難しかったといえます。
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